アップライトピアノ:小倉貴久子、羽賀 美歩
収録曲:
C.ドビュッシー (1862-1918):4手のための小組曲
G.フォーレ(1845-1924):4手のための6つの組曲《ドリー》作品56
T.ボンダジェフスカ-バラノフスカ(1834-1861):乙女の祈り
F.プーランク (1899-1963):4手のためのそなた
J.フランセ(1912-1997):4手のための《ルノワールによる15人の子供の肖像》
F.ブルグミュラー(1806-1874):25の練習曲集 作品100より「おしゃべりさん」「ちょっとした悲しみ」「タランテラ」「舟歌」
M.ラヴェル:《マ・メール・ロワ》
使用アップライトピアノ:エラール 1822年頃 パリ 80鍵、ギルソン 1860年頃 パリ 85鍵、エラール 1880年頃 パリ 85鍵、ジラフ・ピアノ 19世紀 ニューヨーク 85鍵
録音:2014年4月 アクトシティ浜松音楽工房ホール 発売:2015年6月
企画・制作:浜松市楽器博物館
録音・製作:コジマ録音
解説:小倉貴久子、筒井はる香
LMCD-2032 3,190円(税込価格)
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このディスクは〈レコード芸術〉準特選盤。CDジャーナルの推薦盤。NHK-FMの〈クラシックの迷宮〉(2015年6月13日)で、F.ブルグミュラーの「タランテラ」が流れました。
楽器博物館所蔵の19世紀の美しいアップライトピアノ4台による、ドビュッシー、フォーレ、プーランク、フランセ、ブルグミュラー、ラヴェル、ボンダジェフスカ-バラノフスカの作品。ルノワールの絵画の世界が、ソロと連弾で甦る夢のアルバム。
今年設立20周年を迎える浜松市楽器博物館は、豊富な鍵盤楽器の所蔵で知られる。楽器をただ保存するだけでなく、演奏に供する方針を採り、演奏会や録音等に積極的に利用している。そのコレクション・シリーズも今回で第53集。テーマはアップライト・ピアノだ。ジャケットにルノワールの絵画「ピアノに寄る二人の少女」を取り囲むように、4つの使用楽器があしらわれている。実はこの絵が選曲のコンセプト。演奏者は当シリーズの常連、小倉貴久子と羽賀美歩。主として連弾だが、独奏曲も2曲ある。ドビュッシーの《小組曲》は1860年頃のギルソン。さすがに二人とも扱いが手馴れているし、明快な解釈と親密なアンサンブルが楽しい。連弾の定番曲《ドリー》の1822年頃のエラールは音色が細くてちょっと曲に合わない気がするけれど、明るい音色とアトモスフェレ、透明なテクスチュアが好ましい。1曲ずつソロも弾く。羽賀は《乙女の祈り》で先のギルソンからフランスの楽器らしいカラフルで甘い音色を引き出している。1880年頃のエラールによるプーランクの4手のソナタでは切れ味のよい演奏を披露。この曲、執拗な反復音型が伊福部を想起させて興味深い。ルノワールの絵に触発されたフランセの小品集も聴きどころ。ブックレットに美しい楽器の写真やアップライト・ピアノの詳細な解説あり。ピアノ・ファン注目の一枚。(那須田務氏 音楽の友2015年7月号新譜月評より)
クラシック演奏会や録音において、アップライトピアノが主役となることは皆無に等しい。だがピアノ以前の鍵盤楽器が次々と蘇る今、ピアノのヴァリアントとしてかくも普及した楽器を無視する法はない。「家庭用の代替楽器」だからというなら、それこそコンサートホール至上主義に侵された見方だ。小倉貴久子と羽賀美歩という二人の名手の連弾で聴こう。ドビュッシーやフォーレら、近代フランスの連弾曲を中心に、エラールはじめ4台の歴史的楽器で。残響短めだか音色は豊か、グランド・ピアノとはまったく違う親密な息遣い。とはいえ、二人のデュオが「家庭的な親密さ」一色かと言えばとんでもない、プーランクでの超攻撃的な攻めのアンサンブルときたら。そしてジラフ・ピアノの陶器のような不思議な高音が、「マ・メール・ロア」から文字通りおとぎ話の世界を立ち昇らせる。浜松市楽器博物館の歴史的ピアノ・シリーズ録音の有終の美をアップライトが飾る、その見識ともども脱帽の一枚。(矢澤孝樹氏 CDジャーナル2015年7月号より)
〔動画〕CD 美しいアップライトピアノ 〜連弾の悦び〜
よりTrack No.2 C.ドビュッシー:4手のための小組曲より〈行列〉