輪舞(ロンド)〜モーツァルトの輝き〜

フォルテピアノ:小倉貴久子

 

収録曲:

W.A.モーツァルト (1756-1791):

クラヴィーア・ソナタ ニ長調 K.311 (284c)

ロンド ニ長調 K.485

クラヴィーア・ソナタ イ短調 K.310 (300d)

ロンド イ短調 K.511

クラヴィーア・ソナタ イ長調 K.331 (300i)《トルコ行進曲付き》

使用フォルテピアノ:アントン・ヴァルター1795年のモデル(クリス・マーネ製作)

録音:2013年3月 相模湖交流センター 発売:2013年11月

解説:礒山 雅 

ALM Records ALCD-1142 2,940円(税込価格)

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CD:輪舞(ロンド)〜モーツァルトの輝き〜

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このディスクは朝日新聞"for your Collection"で推薦盤、レコード芸術誌の特選盤。音楽現代、推薦盤。CDジャーナル、推薦盤。読売新聞「サウンズBOX」で推薦盤。また、ぶらあぼ「新譜ピックアップ」で紹介されました。レコード芸術2021年9月号の特集新時代の名曲名盤で、K.310が第3位。K.331が第6位を受賞。

(前略)なんという奔放さ!強調すべきことは、それが楽譜に対する克明なアプローチと不即不離のものだ、ということである。小倉さんのすぐれた様式感により、モーツァルトからの逸脱と感じられる部分は1箇所もなく、繰り返しに入るたびに、今度は何が起こるのかと、手に汗を握って耳を澄ます。楽譜から離れるようでじつは音楽を生かすのが、その要諦なのだ。一部の隙もなく仕上げられているように思われるモーツァルトの楽譜も、こうした即興のスリルによって、特段に輝くと知った。反復がクリエイティブな霊感の現場となるさまを見て一番興奮するのは、おそらくモーツァルト自身に違いあるまい。

【礒山 雅氏 プログラムノートより】

楽器を信じ、惜しげもなく情感を注ぐ弾き手によって、繊細な楽器の印象が強いフォルテピアノが力強く歌い踊る。有名なロンドも《トルコ行進曲》つきソナタも、今を生きる喜びを謳歌。(朝日新聞2013年11月11日夕刊"for your Collection"矢澤孝樹氏の評)

 

(前略)このプログラム自体が実に素敵なアイディアだが、演奏そのものがまた、アイディアを真に生かし切った秀抜なものである。使用楽器はA.ヴァルター1795年のレプリカ、練達の指のもとで、終止美しく鳴りつづける。まさしくツボを押さえた演奏というのか、すこぶる表情に富み、臨機応変のアイディアにもしばしば感心させられる。(中略)第一級の名盤と言える。(レコード芸術2013年12月号濱田滋郎氏の評より)

(前略)今回は明らかに表情付けに子音に多くの役割を担わせている。その上任意な装飾音をふんだんに鏤めて実に饒舌だ。ソナタK311の第1楽章などは才気に溢れた、楽しいお喋りのよう。(中略)総じて幸せな音に染められたモーツァルトである。(レコード芸術2013年12月号那須田務氏の評より)

 

音符が鍵盤を跳ねるがごとき痛快な演奏。胸がすくような即興的閃きに耳を傾ける者の心も浮き浮きと弾む。フォルテピアノの前にモーツァルト自身が座っているような錯覚を起こす小倉貴久子の美技に酔いしれる。心ゆくまで楽興の時に浸ることができる逸品だ。(CDジャーナル2014年1月号山本義彦氏の評)

Track No.3 クラヴィーア・ソナタ ニ長調 K.311 (284c) 第3楽章 Rondeau, Allegro 

小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第10回記念公演の画像と共に...