第1ピアノ:小倉貴久子、第2ピアノ:佐藤卓史
*第1ピアノと第2ピアノが交代
収録曲:
E.シャブリエ:
3つのロマンティックなワルツ
C.ドビュッシー:
リンダラハ
C.シャミナード:
交響的二重奏曲 作品117*
M.ラヴェル:
ラ・ヴァルス
D.ミヨー:
スカラムーシュ 作品165b*
J.フランセ:
8つの異国風の舞曲
F.プーランク:
エレジー
使用デュオピアノ:プレイエル パリ 1925年 突き上げ式 ダブル・エスケープメント 88鍵×2
録音:2010年2月16日〜19日 アクトシティ浜松音楽工房ホール
発売:2011年3月
企画・制作:浜松市楽器博物館
録音・製作:コジマ録音
解説:小倉貴久子
LMCD-1926 3,190円(税込価格)
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このディスクは〈レコード芸術〉2020年1月号の「下田幸二のピアノ名曲解体新書」に〔邦快〕ディスクとして紹介されました。
フランスでは、19世紀後半から20世紀前半にかけて、2台ピアノのための素晴らしい作品が数多く作曲されています。両側に鍵盤をもち、響板とケースを共有するデュオ・ピアノは、この頃のプレイエル社、エラール社などフランスのピアノメーカーが、何台も製作していました。それだけ、当時需要があったということでしょう。
同じ種類の2台のピアノを揃えることは、なかなか困難なことですが、このデュオ・ピアノは、響板を共有しているので、響きを完全に融合させることができます。それは1台で行う連弾にも似ています。しかし、広い面積の響板をもち、ひとりで完全にひとつの鍵盤を占有できるデュオ・ピアノでは、豊かな音響効果をも期待できるのです。このような楽しいアイディアが搭載された珍しいピアノは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、たくさん発明、製作されていました。しかし、現代ではそのような豊かな価値観を楽しむ余裕が、製作者にも演奏者にもなくなってしまったのか、生産されるピアノの形はオーソドックスなものだけとなってしまいました。
当アルバムで演奏しているデュオ・ピアノは、1925年製のプレイエルですので、当時の軽やかで色彩的な音色も、大きな魅力のひとつとなっています。
共演の佐藤卓史さんは、今、最も注目される若手ピアニストのひとりです。学生時代からフォルテピアノに興味をもたれ、私のもとで熱心にフォルテピアノ奏法も研究しています。二人で同じ響板を共有しながら、さまざまな音色や表現を試みたレコーディングの数日間、ソロ・ピアノの世界とも、他の楽器とのアンサンブルとも違う、興味深い世界を満喫しました。そして、華やかで楽しく、洒落たアルバムが出来上がりました。
19世紀末から20世紀にかけてのフランスの管弦楽の響きやエスプリを、デュオ・ピアノの演奏で楽しんでいただけましたら嬉しいです。
小倉貴久子
レコード芸術2020年1月号《連載 下田幸二のピアノ名曲解体新書 109 シャブリエ 3つのロマンティックなワルツ》
ディスク・セレクション〜邦快
デュオ・ピアノの響きの魅力
この演奏は、小倉貴久子がプリモ、佐藤卓史がセコンドと明記されているのが嬉しい。もう一つ嬉しいのは、浜松市楽器博物館所蔵の1925年製プレイエルの「デュオ・ピアノ」(胴体の両側に鍵盤を持つ)を聴くことができること。一つの響板を2人の奏者が共有して生み出す一体感のあるデュオの響きは実に魅力的だ。もちろんそれを実現させているのは小倉貴久子と佐藤卓史という優れたピアニスト。第1曲の難しい導入から全くすぎがない。小倉の華やかなタッチと佐藤の奥行きの深い指捌きで見事なアンサンブルを聴かせていく。第2曲はトリルが美しく、ワルツ第2部もすべてが明瞭。第3曲は叙情とパッションの上品な好バランス。日本人の名手二人と名器による愉悦。(下田幸二氏)