《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》には毎回、モーツァルトと関わりのある作曲家等をひとりずつゲストとして迎えます。 モーツァルトとゲスト作曲家のクラヴィーアのソロ作品、またピリオド楽器奏者と共にお届けする室内楽、連弾、歌曲などなど、お話を交えながらのコンサートです。 18世紀にタイムスリップしたかのようなひととき、《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》にみなさまをご案内いたします!
《第30回》
2017年11月3日(金・祝)午後1時30分開演(開場1:00)
第一生命ホール(晴海トリトンスクエア内)
《第30回》公演は終了しました!
〔ゲスト作曲家〕J.Ch.バッハ Johann Christian Bach [1735-1782]
小倉 貴久子(クラヴィーア)
桐山建志、天野 寿彦、廣海史帆、原田 陽、山内彩香(ヴァイオリン)
成田 寛、丸山 韶(ヴィオラ)・山本 徹(チェロ)・小室昌広(コントラバス)
前田りり子(フルート)・三宮正満・荒井 豪(オーボエ)
岡本正之、安本久男(ファゴット)・塚田 聡・大森啓史(ホルン)
☆ピリオド楽器使用室内オーケストラ☆
J.Ch.バッハ:コンチェルト ニ長調 作品13-2
W.A.モーツァルト:ロンドンのスケッチブックより小品 ハ長調 K.15s、コンチェルト ニ長調 K.107-1(原曲 J.Ch.バッハ:ソナタ ニ長調 作品5-2)、コンチェルト 第15番 変ロ長調 K.450、コンチェルト 第27番 変ロ長調 K.595
〔コンサートの聴きどころ〕第30回:J.Ch.バッハ
モーツァルトの音楽にある「優しさや愛」は、モーツァルトがこの世の無慈悲や悲しみを知っていて、そこから超越する時間を慈しむ中で生まれたように思います。その世界が私たちを癒し、新鮮な感動を引き起こすのでしょう。やはりそのような音楽を書いた作曲家にヨハン・クリスティアン・バッハがいます。そして彼はモーツァルトに最も影響を与えた音楽家です。
ライプツィヒの音楽的な環境に生まれ、父J.S.バッハ亡き後は、ポツダムの兄C.Ph.E.バッハの元で音楽修行時代を送ったクリスティアン。バッハ一族が根を張るテューリンゲン地方から飛び出し、ミラノへ活躍の場を求めます。教会音楽家の地位を得たにもかかわらず、オペラ作曲家への道を邁進。オペラを書くために移住したロンドンでは、市民のためのコンサートや、スクエアピアノ演奏の普及に貢献するなど音楽界を牽引。”ロンドンのバッハ”として大活躍します。
ロンドンで活動を始めた頃のクリスティアンを8歳のモーツァルトが訪れます。21歳もの年齢差にも関わらず、クラヴィーアの連弾や即興演奏で意気投合。その後も終生変わらぬ敬愛の情を抱いていたモーツァルト。音楽で結ばれた二人の充実のコンチェルトをお楽しみいただきます。
共催:認定NPO法人トリトン・アーツ.ネットワーク/第一生命ホール
助成:公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団、公益財団法人 朝日新聞文化財団
後援:日本モーツァルト協会、東京藝術大学音楽学部同声会、日本モーツァルト愛好会、一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会
協力:近江楽堂 松木アートオフィス、コジマ録音 ALM RECORDS、KiKla
トリトンアーツ共催公演
〔第30回公演報告〕
第一生命ホールで催された、小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第30回記念公演。共演の仲間たち、楽しみにいらしていただいたお客様たちの暖かい空気が会場を満たし、大変幸せな回になりました。
モーツァルトの音楽に大きな影響を与えた、ヨハン・クリスティアン・バッハの音楽とモーツァルトの力作クラヴィーアコンチェルトを並列させたことにより立体的に18世紀の世界が立ち上がりました。
第30回記念公演はライヴ録音されCDとして発売されました。ディスクの詳細はこちらまで。
《当日のアンケートなどより》
・モーツァルトを始め、作曲家の背景についても詳しく知ることができ、とても充実したコンサートでした。
・素晴らしいの一語に尽きる
・とても楽しみました。フォルテピアノのピアニシモ1音1音まで素敵でした。弦もぴったり、フルートもオーボエもホルンもぴったり、すごく良かったです。
・フォルテピアノという構造は、重い響きを基礎にあるように思っていたが、今日は実に、楽器を知りつくし、リズムを手中にとても爽やかに響いた。アンサンブルの確かさがある。弦楽器の快い響きを感じた。管の軽いリズムの良さ、通奏低音の間違いのない音楽性をききいった。最後はまとめのスウコウさを感じた。演奏会を通して育っていくという良い演奏会でした。
・耳にやさしい楽曲、楽器、編成、演奏、ホールで至福の時を過ごすことができました。おしゃべりを楽しんでいるかのような、小倉さんの弾き方が印象的でした(良かった)
・クラヴィーアのさわやかな音色は清らかな小川のようだった。
・非常に良い内容の演奏であった。特に中心の指導者たる小倉貴久子さんのモーツァルトやその時代の宮廷サロン音楽等に対する造けいの深さに感動した。
・良質な演奏で、モーツァルト時代の雰囲気に浸れました。小倉さんの解説も要を得ていました。
第30回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]